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手首が痛い原因は仕事によって全部違った|板場は返す、畑は握る、トラックは支える、いまは反らす

朝、キーボードに手を置いた瞬間に手首がずきりとした
思い返すと、これまでの仕事でも手首は毎回違う痛め方をしていた
板場・畑・トラック、いま。同じ手首でも負担のかけ方は全然違っていた

朝、キーボードに手を置いた瞬間に手首がずきりとした。
腱鞘炎、という言葉が頭に浮かんだけれど、思い返すとこれまでの仕事でも手首は毎回違う痛め方をしていた。
板場・畑・トラック、そしていま。同じ手首でも、負担のかけ方は場面ごとに全然違っていた。

板場では、手首を「返す」仕事だった

寿司を握る手は、指先より先に手首を使う。
シャリを軽く握って形を作るとき、手首を内側にひねって「返す」動作を一日に何百回も繰り返す。
忙しい時間帯が続くと、その晩は手首の付け根がだるく重くなった。
先輩には「力で握るな、手首の動きで握れ」と言われ続けたが、その手首の動きこそがいちばん酷使されている場所だった。

畑では、手首を「握る」仕事だった

鍬や鎌の柄を握り続けるのが畑の仕事だ。
返す動作ではなく、握力をかけたまま固定する動きが中心で、朝一番に道具を握った瞬間に、握力そのものより先に手首の付け根がこわばっているのに気づくことがあった。
同じ「手を使う仕事」でも、板場の返す動きとは負担のかかる向きが違うと、この頃初めて意識した。

トラックでは、手首を「支える」仕事だった

長時間ハンドルを握る運転は、握る力そのものより、腕の重みを手首で支え続ける時間の長さがこたえた。
信号待ちのたびに手首を反らして伸ばす癖がついたのは、握力の疲れではなく、同じ角度を保ち続けたことによる違う種類のだるさだったからだ。
振動の多い道では、ハンドルを通じて手首に細かい衝撃が積み重なっている感覚もあった。

いまは、手首を「反らす」仕事になった

デスクワーク中心のいまは、キーボードやマウスの上で手首を軽く反らした姿勢を長時間続けている。
パソコンやスマートフォンを長時間使う人に手首や指の腱鞘炎が起こりやすいことは、複数の医療機関の解説でも指摘されている(MYメディカルクリニック)。
返す・握る・支えるという単発の負荷とは違い、反らした姿勢を保ち続けること自体が負担になる、という新しい種類の疲れ方だった。

手首は、力の向きをいちばん正直に映していた

板場・畑・トラック、いま。
同じ手首という場所で、負担をかけていた向きは毎回違っていた。
返す、握る、支える、反らす。
手首が痛いと感じたとき、原因を「使いすぎ」の一言で片づけず、どの向きに負担がかかっているかを考えるようになったのは、この4つの仕事を経てからだ。
首の痛め方が仕事によって違っていた話はこちらにも残している。体は、使ってきた仕事の形を、思っている以上に正直に映す。

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