傘の選び方|板場・畑・トラックで、傘の使いどころが全部違っていた
傘は雨から体を守る道具だと思っていた。
板場・畑・トラック・いまの4つの仕事で、使い方がまったく違っていた。
玄関を出てから傘立てに戻るまで、傘のことなんて意識したこともなかった。
改めて振り返ってみると、板場・畑・トラック・いまの4つの仕事で、傘の使い方がまったく違っていたことに気づいた。
板場では、片手で差せれば十分だった
寿司屋に勤めていた頃、傘を使うのは通勤と、近所への買い出しや出前の行き帰りくらいだった。
距離は短く、片手はレジ袋や届け物でふさがっていることも多かったから、軽くて小さく畳める折りたたみ傘で十分だった。
一般的な折りたたみ傘は6本骨のものが多く、軽さを優先した分、風にはそれほど強くない。
それでも、板場の通勤にはそれで困らなかった。荷物を持つ手を空けられることのほうが、よほど大事だった。
畑では、そもそも傘を差さなかった
農業を手伝っていた頃、雨の日に傘を差した記憶がほとんど無い。
理由は単純で、畑仕事はほとんどの場面で両手を使う。
鍬や収穫かごを持つ手に傘まで持たせる余裕は無く、体を大きく動かす作業では、片手がふさがること自体が邪魔になった。
農作業で傘の代わりに選ばれているのは、上下セットのレインコートや合羽だ。
両手が自由になり、動きを妨げず、作業中に体がぶつかっても破れにくい丈夫さがある。
傘は「濡れないための道具」のはずなのに、畑では逆に「両手を奪う道具」として避けられていたのだと思う。
トラックでは、荷降ろしのための一時しのぎだった
長距離ドライバーをしていた頃、運転中に傘を使うことは当然無かった。
傘が要るのは、荷降ろしや積み込みで一時的に車を離れるときだけだった。
短い時間とはいえ、風の強いサービスエリアやパーキングエリアで裏返る傘にはうんざりしていた。
だから積んでいたのは、骨の数が多く丈夫な長傘だった。
骨が増えるほど傘は円に近い形になって覆える範囲が広がり、風を受けても骨がしなって力を逃がす耐風構造のものは、簡単には裏返らない。
毎日使うわけではないからこそ、いざというときに壊れない一本を選んでいた。
いまは、風の強さで傘を使い分けている
デスクワークが中心のいまは、普段の通勤には軽い折りたたみ傘を使っている。
ただ、天気予報で風が強いと分かっている日だけは、骨の多い丈夫な長傘に替えるようになった。
トラック時代に学んだ「壊れる傘は結局、荷物になるだけ」という感覚が、案外そのまま残っている。
傘は、雨から体を守るための道具だと思っていた。
でも振り返ってみると、傘が本当に決めていたのは「両手をどれだけ空けられるか」のほうだった。
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