首が痛い原因は仕事によって違う|板場は下を向く、畑は仰ぐ、トラックは振り返る、デスクは固まる
信号待ちで、首の付け根に手が伸びる。
板場は下を向き、畑は仰ぎ、トラックは振り返る。首の痛め方は仕事ごとに向きが違う。
信号待ちで、首の付け根に手が伸びる。
そんな癖がある人は多いと思う。
三十秒か一分の停止時間なのに、その短さがかえって首の凝りを教えてくれる。
腰や肩や膝や爪の傷み方が仕事ごとに違うことを書いてきたので、次は首だと思った。
首は、どの仕事でも酷使されやすい場所だ。
板場は、下を向く角度がずっと同じ
まな板の上、包丁の刃先、盛り付ける皿。
見ているものはいつも自分の手元で、視線は常に下向きになる。
顔を上げるのは客に声をかけるときくらいで、あとの何時間も、うなだれるような角度のまま固まる。
下を向く仕事は、下を向く角度で凝る。
単純だけれど、いちばん当たっている説明だと思う。
畑は、逆に仰ぐ時間が長い
脚立の上で果樹の枝を落とすとき、噴霧器を空に向けるとき、日差しの角度を確かめるとき。
畑仕事は下を向く場面もあるが、板場とは逆に、上を向いて首を反らす時間が案外多い。
暑い日は日差しを避けるために首をすくめることもあり、同じ筋肉を使い続けやすい。
板場の「下向きの凝り」とは違い、後ろに反らした側が張るような疲れ方になる。
同じ首でも、仕事によって痛める向きが逆になる。
トラックは、振り返る動きが効く
バックするとき、車線を変えるとき、死角を確かめるとき。
ミラーだけでは足りない場面で、体ごと後ろへねじる動きをくり返す。
信号待ちのたびに首を回し、休憩のたびに肩と一緒に回す人も多い。
長距離の日は、着くころには首が一方向にしか回りにくくなる。
振り返る動きは一回ごとは小さくても、積み重なると効いてくる種類の疲れだ。
デスクは、同じ角度で固まる
デスクでモニターを見る角度は、板場ほど下を向いてはいない。
それでも一日の大半を同じ角度で過ごすところは変わらない。
むしろ動きが少ないぶん、凝りの出方は静かで気づきにくい。
板場は「疲れた」とはっきり分かっても、いまの首の張りは信号待ちでふと手が伸びるまで気づかないことがある。
動きがあった仕事のほうが、体にとっては優しかったのかもしれない。
道具は「向き」を変える時間をつくる
板場もトラックも、首を一方向に固定し続ける仕事だ。
対策として現実的なのは、意識して逆方向に動かす時間を挟むことだと思う。
首の付け根をほぐすマッサージ器、空気を入れて膨らませるクッションを首に当てて仰向けで数分過ごす道具、姿勢が崩れてきたときに一度まっすぐに戻すサポーター。
どれも治療ではなく、固まった角度をいったんリセットするためのものだと思っている。
道具をきっかけに、同じ角度のままでいた時間に気づく仕掛けになる。
しびれや強い痛みが続くときは、自己判断せずに医療機関で診てもらってほしい。
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