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干し柿のカビ対策|むいた柿は熱湯に10秒。甘柿で作らないのにも理由がある

干し柿のカビ対策は、むいた柿を熱湯に10秒くぐらせるところから。
山梨県・農林水産省・JAの資料から、かびる理由と防ぎ方、白い粉の正体を拾った。

干し柿のカビ対策は、むいた柿を熱湯に10秒ほどくぐらせるところから始まる。
山梨県の食品工業技術センターが紹介しているころ柿の作り方では、これが殺菌の手順として書かれている。
雨が続いてカビが心配なときは、度数の高い焼酎を吹きかける方法も載っていた。

軒先に柿がぶら下がる季節になった。
この記事では、山梨県と農林水産省、JAグループの資料から、干し柿がかびる理由と防ぎ方を拾っていく。
畑の話は、僕の考えとして書く。

干し柿は、渋柿で作る

農林水産省の「にっぽん伝統食図鑑」には、宮城県の干し柿の作り方として、甘い柿はかびやすい、と書かれている。
干したときに甘みが増すのも渋柿のほうなので、干し柿には必ず渋柿を使う、とあった。

JAグループの「とれたて大百科」でも、干し柿は渋柿を外に吊るして乾燥させたもの、と説明されている。
渋みのもとはタンニンだ。
食べてみて舌がしびれるほど渋い柿が、干すと甘くなる。

畑の仕事には、売り物にならないものの使い道を考えることも含まれていると僕は思う。
そのまま食べられない渋柿を、手間と時間で甘くする。
干し柿は、そういう知恵の代表みたいなものだと僕は思っている。

かびる理由は、柿の中の水分

山梨県の手順を読むと、カビに関わる注意が何か所も出てくる。
まとめると、柿の水分が抜けきる前に、濡れたり、くっついたり、風が止まったりすることが原因になる。

  • むいたら、熱湯に10秒ほど入れて殺菌する
  • 柿どうしがくっついたまま乾かさない。離すときに破れ、そこから傷みやカビの原因になる
  • 日当たりと風通しの良い軒下に、柿どうしがぶつからないよう間隔をあけて吊るす
  • 雨に濡らさない
  • 雨が続いてカビが生えそうなら、度数の高い焼酎を吹きかける
  • 風通しの良い場所がいちばんで、扇風機を使う手もある

どれも、表面を乾いた状態に保つための工夫になっている。
軒下に吊るすのは、雨をよけながら風に当てられる場所だからだと思う。

約20日で揉み、約40日で白い粉がふく

山梨県の手順では、吊るしてから約20日後、表面が乾いてきたら、中の繊維を断ち切るように揉む。
そのあと平らに並べて干し、寝かせてから、もう一度干す。
全体に白い粉が出てきたら、ころ柿の完成だ。
軒下に干してから約40日ほどかかり、天気によって変わる、とあった。

農林水産省の宮城県の例では、紐に通した柿を、風通しの良い場所で1か月ほど干す。
地域や仕上げ方で日数は違うが、ひと月前後は待つことになる。

白い粉と、カビの違い

表面の白い粉について、JAグループのページは「糖度の結晶」と書いている。
農林水産省の図鑑には、この白い粉が「柿霜(しそう)」と呼ばれ、昔の中国では砂糖代わりにされていた、という話も載っていた。

白い粉とカビを見分ける方法は、今回あたった公的な資料には書かれていなかった。
だから、ここは僕の考えになる。
粉が全体に薄くふいているのではなく、一部だけ盛り上がっていたり、白以外の色が混じっていたりしたら、食べずに処分する。
自分で干したものほど惜しくなるが、迷ったら食べないのがいちばん安全だと思う。

待つ仕事は、畑に似ている

熱湯にくぐらせ、間をあけて吊るし、雨の日は焼酎を吹く。
手を動かすのは最初の日と揉む日くらいで、あとはほとんど天気を見ているだけだ。

畑の仕事も、手を入れる日より、空を見て待つ日のほうが多いと僕は感じている。
干し柿の手順を読んでいて、作業の中身より、待ち方が書いてあるところに目が止まった。
かびさせないコツは、たぶん、待つあいだに柿をひとりにしないことなんだと思う。

台所の手仕事の話は、こちらにも書いている。

お米の研ぎ方は、力を入れなくていい|新米の水加減も、昔の常識と今で違っていた

出典

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