お米の研ぎ方は、力を入れなくていい|新米の水加減も、昔の常識と今で違っていた
お米は「研ぐ」ものだと思っていた。
農林水産省の案内では、やさしく洗うのが正解になっている。
新米の水加減も、昔の常識と今では変わっていた。
お米は「研ぐ」ものだと思っていた。
手のひらでぐいぐい押して、水が透きとおるまで何度も替える。
米を研ぐときの手の動きなんて、一度も疑ったことがなかった。
でも、いまの公的な案内を読むと、そのどれもが少し違っていた。
研ぎ方、新米の水加減、浸水の時間。
三つとも、昔の常識のままにしていると、わざわざ手間をかけて味を落としている部分があった。
「研ぐ」のではなく、やさしく洗う
農林水産省の「お米のおいしさがアップする炊き方と保存法」には、洗米は「研ぐ」のではなく「やさしく洗う」のが正解、と書かれている。
最初に水を入れて軽くかき回したら、すぐに水を捨てる。
2回目以降は、20回ほどやさしく軽くかき回して、水ですすぐ。
これを3回くり返すのが基本だ。
押しつけて力を入れる、という動きは出てこない。
力を入れると米粒が割れて、そこからでん粉がにじみ出て、炊き上がりがべたつきやすくなる。
これは僕の理解で、案内にそう書いてあるわけではないが、「やさしく」と書く理由はそこにあるのだと思う。
最初の水だけは、迷わず捨てる
同じ案内に、もうひとつ大事なことが書いてある。
最初の水は、米がいちばん吸いやすい。
だから水を入れて軽くかき回したら、すぐに捨てる。
僕の理解では、最初の水にはぬかなどが溶けていて、乾いた米はそれを吸いやすい、ということだと思う。
最初の一回だけは、ゆっくり混ぜず、手早く済ませる。
ここを丁寧にやりすぎてしまう人は、多いのではないか。
二回目以降は、20回ほどの「やさしく」を3回くり返せば足りる。
何度も水を替えて、完全に透きとおるまで続ける必要はない、というのが案内の書き方から受ける印象だ。
新米でも、水は減らさなくていい
「新米は水分が多いから、水を少なめに」と教わった人は多いと思う。
僕もそう聞いて、疑わずにやっていた。
JA全農とちぎの担当者の話が、とちぎ農業の情報サイトに載っていて、そこでは「新米でも古米でも、水加減はきっちり目盛り通り」と話している。
理由は、乾燥技術の向上でお米の水分がほぼ一定になっているからだ、とのこと。
昔は乾燥にばらつきがあって、新米は水を減らす工夫が要ったのだと思う。
いまは、炊飯器の目盛りや、1合に対する水の量を、季節で変えなくていい。
10月はちょうど新米が出る時期なので、水を減らしてべたついた経験がある人は、一度目盛りどおりに炊いてみてほしい。
浸水は、20分から60分のあいだで考える
浸水の時間は、案内によって書いてある長さが違う。
農林水産省は「最低30分から60分程度」、JA全農とちぎの担当者は「20〜30分程度」で、一晩など長く浸けすぎるのはよくない、と話している。
どちらかが間違っているというより、季節や米の状態で幅があるのだと思う。
僕は、まず30分を基準にして、炊き上がりが硬ければ少し長く、柔らかすぎれば短くする、と調整するのがいちばん分かりやすいと考えている。
キャンプで米を炊くときも同じ考え方が使える。
火加減より先に、浸水の時間を決めておくと、飯盒でも鍋でもいい。キャンプの米は、火加減より浸水で決まるの話のとおり、失敗が減る。
洗い場が混んで水を使いにくいときは、無洗米という選び方もある。
いまは、米を洗う場面がキッチンとキャンプ場だけになった
デスクワークが中心のいまは、大量の米を洗う場面がほとんどなくなった。
それでも、家のキッチンやキャンプ場で、一合ずつ洗うたびに、「やさしく、最初の水は手早く」とつぶやくようになった。
強く洗えば洗うほど丁寧、という思い込みは、思ったより長く残る。
力を抜いたほうが、米がきれいに炊ける。
それを公的な案内のほうが先に言っていた、というのが、少しおかしい。