2026.09.23 泊まれる場所4,223 立ち寄りスポット59,693 営業中を確認したキャンプ場1,005 note を読む

耳掃除の頻度は月1でいい|板場・畑・トラックで、耳の汚れ方まで違っていた

耳かきを、もう何ヶ月も触っていないことに気づいた。
板場、畑、トラック、いま。耳の使われ方も汚れ方も、仕事によって全然違っていた。

耳かきを、もう何ヶ月も触っていないことに気づいた。
子どもの頃は毎晩のように使っていた道具なのに、いつの間にか引き出しの奥にしまい込んでいた。
板場、畑、トラック、いま。耳の使われ方も汚れ方も、仕事によって全然違っていた。

板場では、耳より先に手と鼻が働いていた

板場に立っていた頃、耳はいちばん出番の少ない感覚だった。
油の跳ねる音、換気扇の低い唸り、流れっぱなしのラジオ。ずっと鳴っている音に慣れてしまうと、耳はほとんど意識に上らなくなる。
頼っていたのはむしろ手の感覚と鼻だった。魚の脂の乗り方は手で分かるし、火の通り方は匂いで分かる。
濡れた手で耳を触る癖だけは、先輩にきつく直された。衛生上の理由だと思っていたが、耳垢を奥へ押し込むだけだから触らないほうがいいのだと知ったのは、ずっとあとのことだった。

畑では、静けさの中で耳の詰まりに気づいた

畑仕事は、板場とは逆に静かな時間が長かった。
草刈機を使う数十分だけは強い音にさらされるが、それ以外は風の音と土を掘る音くらいしかない。
その静けさの中で、片方の耳だけ詰まっているような感覚に気づくことがあった。
汗と土埃が耳の入り口にたまっていただけのことも多かったが、草刈機のあとにしばらく耳の奥がこもって聞こえる日もあった。イヤーマフを着けるようになったのは、その感覚が続くようになってからだ。

トラックでは、耳栓代わりに音を選んでいた

長距離トラックに乗っていた頃、耳は常にエンジン音とラジオの音にさらされていた。
静かすぎる車内だと眠くなるから、あえて音を鳴らして耳を仕事に使っていたところがある。
渋滞で長く止まったときだけ、ふとエンジン音が消えて、耳の奥にキーンという感覚が残っているのに気づく瞬間があった。
運転中は耳栓を使えないから、休憩のたびに耳をふさいで静かな時間を作るようにしていた。小さな耳栓を一組、グローブボックスに入れていたのはそのためだ。

いまは、耳かきの頻度を見直した

デスクワーク中心のいまは、大きな音にさらされる場面がほとんどない。
それでも耳かきだけは、以前よりずっと控えるようになった。耳の穴には自浄作用があり、古くなった皮膚が奥から入り口へ少しずつ運ばれ、耳垢も自然に外へ出ていく仕組みになっているらしい。
掃除のしすぎはその流れを乱すだけでなく、刺激で耳垢腺を余計に働かせてしまうこともあると知ってから、月に一度、入り口から見える範囲だけを触るようにしている。
耳垢そのものにも、ほこりを絡め取り雑菌の繁殖を抑える役目があるらしい。汚れだと思っていたものが、実は仕事をしていた。

耳は、音の環境をいちばん正直に映していた

板場では鳴りっぱなしの音に慣れ、畑では静けさの中で異変に気づき、トラックではあえて音で耳を働かせ、いまはほとんど音のない部屋で耳を休ませている。
仕事の数だけ、耳の使われ方も汚れ方も違っていた。
耳は自分から何かを訴えることが少ない器官だと思う。
だからこそ、こもった感じや詰まった感じに気づいたときだけは、放っておかずに手入れの頻度を思い出すようにしている。

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