2026.09.15 泊まれる場所4,223 立ち寄りスポット46,522 営業中を確認したキャンプ場1,005 note を読む

新聞紙のキャンプでの使い道|火をつけるためだけに積むには、もったいない

焚き火用に一束積んだはずの新聞紙が、帰るころには半分になっている。
板場と畑とトラックで、僕は別々の使い方を覚えていた。

焚き火のために、新聞紙を一束だけ車に積むようになった。

火をつけるためだけに持っていったつもりだったのに、帰ってくるといつも半分くらいしか残っていない。
火以外のところで、勝手に減っている。

考えてみたら、僕は新聞紙の使い道を、三つの職場でばらばらに覚えていた。

板場では、水気を取るものだった

寿司屋で新聞紙を最初に持たされたのは、掃除のためではなかった。

魚を包むためだ。

下ろした魚をそのまま冷蔵庫に入れると、表面の水気で身がふやける。
かといってラップでぴったり包むと、今度は逃げ場のない水がそこに溜まる。
新聞紙は水を吸って、そのぶんだけ湿って、あとは乾いていく。
包んだものの水分を、少しずつ持っていってくれる。

ラップの下に一枚だけ新聞紙を挟む、という使い方も教わった。
直接は当てない。
インクのことは当時からうるさく言われていて、身に触れるところにはさらしを一枚はさんでいた。

あのころ覚えたのは、包むことではなくて、湿らせておく時間を短くすることだったんだと思う。

畑では、野菜をしまうものだった

農業をやっていたときは、新聞紙は保存のための道具だった。

土のついた大根や里芋は、洗わずに新聞紙でくるんで、立てて置く。
横に寝かせると、野菜が起き上がろうとして体力を使う、と教わった。
ほんとうかどうかは知らないけれど、立てたほうが長くもつのは確かだった。

包み方には二通りある。

根菜は乾いた新聞紙でそのまま。
葉物は、新聞紙を軽く湿らせてから包む。
しなびるのは水が抜けるからで、そこだけ足してやればいい。

畑をやめてからも、この癖だけは残った。
直売所で買った大根を、いまも新聞紙で包んでいる。

長距離を走っていたころは、ガラスを拭くものだった

トラックに乗っていたときは、また別の使い方をしていた。

フロントガラスの内側は、しばらく乗っていると膜が張ったようになる。
布で拭くと繊維が残るし、拭いた跡が夜のライトで浮き上がる。
新聞紙を軽く湿らせて拭いて、乾いた新聞紙でもう一度なでると、跡が残りにくかった。

足元にも敷いていた。
雨の日に泥のついた靴で乗り込むから、床のマットが乾かない。
新聞紙を敷いておいて、汚れたら替える。

あのころは新聞が毎日いくらでも手に入ったので、これができた。

キャンプでは、火より先に、靴と袋に使っている

いまいちばん多い使い道は、たぶん靴だ。

雨の日に濡れた靴の中に、丸めた新聞紙をぎゅっと詰めておく。
朝には水が抜けて、少なくとも履けるくらいには戻っている。
暖房の前に置くより、こっちのほうが型が崩れない。

次に多いのがゴミ袋の底。
生ゴミの汁が袋の底に溜まると、持ち上げたときに嫌な思いをする。
新聞紙を二つ折りで底に入れておくだけで、あれがなくなる。
においも少しましになる。

火をつけるのに使うときは、丸めない。

ぎゅっと丸めた新聞紙は、外だけ燃えて中が残る。
棒状にゆるくねじって、すきまを作ってやると、火が上に抜けていく。
このやり方だけは、キャンプを始めてから覚えた。

やらないことも、いくつか決めている

焚き火台の下に敷かない。
下に落ちた炭で燃えるからで、これは一度やりかけて肝を冷やした。

食べ物に直接あてない。
いまの新聞インクは大豆油を使ったものが主流だと聞くけれど、僕は自分で確かめていない。
確かめていないことは、大丈夫だと言わないことにしている。
間に一枚はさむだけで済む話なので、そこで悩む必要もない。

いちばん困っているのは、手に入らないこと

うちは新聞を取っていない。

それなのに新聞紙を使う癖だけが残っているので、コンビニで一部だけ買って、読まずに畳んで車に積んでいることがある。
読み終わったから捨てるものだったはずなのに、使うために買っている。
順番が逆になった。

スーパーのサッカー台に置いてあるロール紙や、通販の梱包に入っている紙で代わりになることも多い。
ただ、あれは吸わない紙が混じっている。
水を吸わせたいのか、汚れを受けたいのか、火をつけたいのかで、向く紙が違う。

新聞紙が便利なのは、その全部をそこそこの成績でこなすからだと思う。

板場では水気を取るもので、畑では野菜をしまうもので、トラックでは窓を拭くものだった。
同じ紙なのに、職場が変わるたびに別の道具として教わった。

読み終わった紙が、まだ二回は使える。
そう思って畳んでおくと、キャンプの荷物が一つ減る。

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