2026.09.23 泊まれる場所4,223 立ち寄りスポット59,693 営業中を確認したキャンプ場1,005 note を読む

登りより下りのほうが怖い。坂の話をすると、だいたい全部そこに戻る

重い荷物を積んで峠を越える運転では、よく言われることがある。
坂は登るより下りるほうが難しい、と。

わんこの散歩で、坂の途中で止まるようになる時期が来る。
そうなったら、坂を登らずに遠回りして、平らな道から公園に入る手もある。
止まっても待てばいいだけの話なのに、飼い主のほうが落ち着かなくなりがちだ。

登りより、下りのほうが難しい

長い距離を走る運転では、坂は登るほうが楽だというのが定番の話だ。
登りはエンジンが苦しいだけで、こちらは踏むか踏まないかを決めればいい。
本当に気を使うのは下りのほうだった。

重い荷物を積んだ車は、下り坂で勝手に速くなる。
そこでブレーキを踏み続けると、効きがだんだん甘くなる。
だから低いギアに入れて、エンジンそのものに車を抑えさせる。
これは技術というより順番の話で、坂に入る前に決めておかないと間に合わない。
入ってから考え始めた人が、たいてい怖い思いをする。

この「入る前に決めておく」という感覚は、いまでも抜けない。
キャンプ場に着いて、傾いた場所しか空いていない日がある。
車を停める向きを決めるとき、僕なら頭を高いほうに向ける。
寝るときに血が頭に下りてこないほうがいい、というだけの理由だけれど、決めておくと夜が楽になると思う。

坂の下に住む人は、坂を数えている

畑がある土地では、道を距離で言わないことがある。
「あの坂を二つ越えたところ」という言い方をする。
平らな道が何キロあっても、そこは数に入っていない。

荷物を担いで歩けば、体が覚えているのは登った回数のほうだ。
坂は距離ではなくて回数で記憶される。
地図の上では同じ二キロでも、坂が二つあるかないかで、その道はまったく別の道になる。

これは歩く人にも当てはまる。
観光地の案内に「徒歩十分」と書いてあっても、その十分に坂が含まれているかどうかは書かれていない。
書いておいてほしい、と思うことがときどきある。

登れなくなる日は、思ったより早く来る

わんこが十二歳くらいになると、若い頃は先に立って登っていた坂でも、半分あたりで振り返ってこちらを見ることがある。
疲れたのか、行きたくないのか、飼い主には分からない。

抱き上げれば済む話ではあるけれど、そこはできるだけ我慢する手もある。
自分の足で歩ける距離は、歩けるうちに歩いたほうがいいと思う。
そのかわり、帰りだけは抱えるのも一案だ。
下りのほうが足腰に来るのは、車と同じだと思う。

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坂の途中で立ち止まる

坂の話は、年をとることにも通じると思う。
登りは苦しいけれど、進んでいることは自分で分かる。
下りは楽なぶん、どこまで来てしまったのかが分かりにくい。

年をとるというのは、たぶん下り坂のほうに近い。
気づいたときには思ったより速くなっていて、そこから止まるのに時間がかかる。
だから途中で一度立ち止まって、いまどのあたりかを確かめるくらいでちょうどいい。

坂の途中で振り返るあの顔は、もしかしたらそれを教えてくれているのかもしれない。
そう思えると、遠回りの道もそれほど悪くない。

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