靴下だけは、安さで選ぶのをやめた
服はセールで買うのに、靴下だけは値段を見なくなった。
理由は、いちばん早く駄目になる場所だったからだ。
服は、セールになってから買うことが多い。
靴下だけは、値段をあまり見なくなった。
理由を考えたら、身につけるものの中で、いちばん早く駄目になる場所だったからだった。
穴が開くのは、いつも同じ場所だった
安い靴下を履いていたころ、穴が開くのはいつもかかとか、親指のつけ根だった。
生地が薄いところから、体重のかかる場所が擦れて抜けていく。
数ヶ月でだめになって、また買い直す。
そのくり返しをしていた。
厚手のウール素材に変えてから、この穴が開くペースが目に見えて落ちた。
繊維そのものが太くて丈夫なぶん、同じ場所を擦っても、抜けるまでの時間が延びるらしい。
厚い靴下は、夏には向かないと思っていた
ウールと聞くと、冬用というイメージが強かった。
実際に履いてみると、そうでもなかった。
ウールの繊維は、汗を吸っても肌がべたつきにくい。
化学繊維の薄い靴下のほうが、蒸れて不快になることがあった。
厚みがあるぶん、靴の中で足が動きにくくなるのも、地味な利点だった。
薄い靴下だと、靴の中で足がずれて、靴擦れの原因になっていた。
洗濯で、いちばん早く傷むのも靴下だった
洗濯機に放り込んでいたころ、靴下はいつも早く毛羽立っていた。
他の洗濯物との摩擦を、いちばん受けやすい形をしているからだと思う。
いまは、靴下だけは洗濯ネットに入れている。
面倒に思っていたが、慣れると数秒の手間でしかなかった。
毛羽立つまでの期間が、目に見えて延びた。
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厚みの違うものを、二種類そろえている
いまは、用途で厚みを変えている。
歩く距離が長い日は、いちばん厚手のカバーソックス。
普段履きには、もう少し薄手のクルー丈。
同じウールでも、厚みが違うと、履き心地の重さがまったく別物になる。
厚いものだけを揃えると、普段の外出でも足が蒸れてしまう。
薄いものだけだと、長く歩く日に足が痛くなる。
両方持っておくと、その日の予定で選べるようになった。
いちばん見えない場所ほど、値段を見なくなった
服は人の目に触れる。
靴下は、脱ぐまで誰にも見えない。
それでも、履き心地は毎日いちばん長く感じている場所だった。
見えない場所ほど値段で選んでいいはずなのに、実際はその逆をやっていたんだと思う。
いまは、見えない場所こそ、いちばん妥協しないようにしている。


