箸は先端で選ぶ|刺身が持てるかどうかは、先の細さと角で決まる
毎日使っているのに、選んだ覚えのない道具がある。
箸は、たぶんその代表だと思う。
箸を選ぶときに見るのは、長さでも塗りでもなく先のほうだ。
先の細さと角の有無で、持てるものが変わる。
車に一膳積んでおくなら、そこだけ見て選べばいいと思う。
持ち方の癖は、道具に要求されて初めて分かる
寿司屋のような食べ物を扱う店では、入ってから箸の持ち方を直される、という話はよく聞く。
食べるぶんには困らない持ち方でも、薄く引いた刺身を盛り付けようとすると先が合わずに身が落ちる。
崩れるのは魚のせいではなく、指のほうだ。
薬指が浮いている、という注意はその代表だと思う。
ご飯なら普通に食べられるので、本人は困っていない。
道具というのは、要求されてはじめて自分の癖を教えてくれるものらしい。
見るところは、長さより先端
先が太いと、豆腐は割れるし、刺身は滑る。
細ければいいというものでもなくて、細すぎるものは大きいものを持ち上げたときにたわむ。
角のあるものは滑りにくい。
八角や六角に削ってあるのは、見た目の話ではなく握りの話だと思っている。
割り箸でも、いいものは先がちゃんと細くなっている。
コンビニでもらう箸は、たいてい先まで四角いままだ。
あれで冷奴を食べようとすると、鉢の中で崩しやすい。
車に一膳、積んでおく理由
車の中で食事をすることが多いと、もらった箸を使ってそのまま捨てることになりがちだ。
ところが、袋を開けたら箸が入っていなかった、ということがときどきある。
夜中で、まわりに開いている店もなければ、どうしようもない。
だから携帯用の箸を一膳、ドアポケットに入れておくといい。
ケースに入って、二つに分かれるものなら場所も取らない。
外で弁当を食べるときも、汚れた手で割り箸を割るより、洗って持ってきた自分の箸のほうが気持ちがいい。
手入れは、洗って乾かすだけでいい
使ったら洗って、拭いて、立てて乾かす。
やることはそれだけだ。
気をつけたいのは、塗ってある箸を熱い湯に長く沈めないこと。
塗りは思ったより熱に弱くて、白く曇ることがある。
竹や木のものは、乾かないうちにケースへ戻すと匂う。
何年か使っていると、先が丸くなってくる。
そうなったら替えどきだと思う。
持ち方は直せるけれど、減った先は戻らない。
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箸は、道具のなかでいちばん手に近いところにある。
毎日、何百回もくり返す動きの形は、一度直せばずっと手に残る。
だから先端の形くらいは、自分で選んでおきたい。