銀杏の食べ過ぎで中毒|焼いても起きる。1歳の子は約50個、41歳の大人は60個で症状が出た
銀杏は一度に食べ過ぎると、吐いたりけいれんを起こしたりすることがある。
東京都の資料と薬学の総説を読み、焼いても防げない理由と、僕が決めた線を書いた。
銀杏は、一度に食べ過ぎると、吐いたりけいれんを起こしたりすることがある。
東京都の資料には、1歳の男児が約7時間でおよそ50個食べ、3時間後に全身のけいれんを起こした例が載っている。
大人でも、41歳の女性が60個食べて、おう吐と下痢、両腕のふるえを起こした例がある。
この記事は、東京都保健医療局「食品衛生の窓」と、薬学雑誌に載った銀杏中毒の総説を読んで、僕が理解した範囲で整理したものだ。
僕や家族が中毒になった話ではない。
何個までなら安全という公的な線は、探した範囲では見つからなかった。
毒の正体は、ビタミンB6に似た成分
東京都の解説によると、銀杏にはビタミンB6と構造の似た成分が入っている。
食べると本物のビタミンB6の働きを邪魔して、数時間のうちに欠乏した状態になると考えられている。
ビタミンB6は脳の神経伝達物質を作るのに要るので、けいれんにつながる。
聞き慣れた栄養素に似ているから毒になる、というのは少し不思議な話だと思う。
焼いても、炒っても、中毒は起きている
火を通せば大丈夫、とは考えないほうがいい。
総説で紹介されている症例には、オーブンで加熱した銀杏を20〜30個食べた2歳1か月の男児がいる。
41歳の女性が食べた60個も、自宅で炒ったものだった。
総説によると、生の銀杏も調理した銀杏も、毒の成分の仲間を主に含んでいるとされる研究がある。
フライパンで炒って、塩をふって、殻を割りながら食べる。
あの食べ方で、毒が抜けているわけではない。
子どもの報告が目立つ
東京都の資料が挙げる3例のうち、2例は1歳と2歳の子どもだ。
総説の症例にも、2歳前後の子が続けて出てくる。
体が小さいうえに、おいしければ止まらない年ごろなのだと思う。
大人なら平気、とも言い切れない。
総説では、栄養状態の悪い大人は発症しやすい可能性が指摘されている。
報告に出てくる個数が数十個だからといって、それより少なければ絶対に安全という意味にもならない。
昔ほど怖い話ではないが、消えた話でもない
総説によると、日本で最初の報告は1881年で、2人の男児が亡くなっている。
死亡例は1950年代をピークに減り、1969年以降は報告されていない。
今は経過の良い中毒とされ、後遺症の報告もない。
ただ、中毒の報告は2000年以降にまた増えた。
これは銀杏が危なくなったというより、情報が手に入りやすくなり、銀杏が原因だと分かるようになったことなどが理由に挙げられている。
治療には、ビタミンB6の投与が最も効果的とされている。
僕が決めた線
どこまでなら大丈夫かの答えがないので、僕は自分で線を引くことにした。
- 小さな子には出さない:何個ならいいかを考えるより、皿に載せないほうが早い。
- 大人は食べる分だけ先に炒る:袋から直接だと、数が分からなくなる。
- 子どもの手の届く所に置かない:1歳の子の例は、約7時間かけて約50個だった。一度にではなくても、数は積み上がる。
酒のつまみは、気がつくと手が伸びている。
季節のものを楽しむなら、数を決めておくくらいが、ちょうどいいと思う。
食べ過ぎたと気づいたら
症状が出るまでには時間がかかる。
東京都の例では、食べてから3〜9時間後、総説の例には、寝ている間に吐き始めた子もいる。
何個、いつ食べたかをメモしておくと、説明しやすいと思う。
けいれんや繰り返す嘔吐があれば、すぐに医療機関へ。
受診すべきか迷う時は、日本中毒情報センターの中毒110番という相談窓口がある。