みかんの保存方法|傷のある実から腐る。佐賀県の資料では、10℃を超えると腐れが著しく増える
箱で買ったみかんは、届いた日に全部出して、傷のあるものを先に分けます。
佐賀県と愛媛県の資料から、温度と置き場所の考え方をまとめました。
箱で買ったみかんを長くもたせるいちばんの手は、届いたその日に全部出して、傷のあるものを先に分けることだ。
佐賀県果樹試験場の資料には、貯蔵中の腐れはハサミ傷などの傷から入るものが多く、10℃を超えると腐れが著しく増える、と書いてある。
置き場所は、風通しがよく涼しいところ。
冷蔵庫は、乾いて甘さがなくなるので控える、と愛媛県の資料にある。
この記事は、みかんの産地の県が出している資料を二つ読んで、家の箱みかんに置き換えたものだ。
資料の数字は、農家の貯蔵庫の話がほとんどになる。
家での置き方は、そこから僕が考えたことだ。
腐れは、傷から入る
佐賀県果樹試験場の「腐敗果をなくそう」という資料は、農家向けに温州みかんの収穫と貯蔵の管理を書いたものだ。
収穫のときにいちばん気をつけたいのはハサミ傷だ、とある。
収穫のしかたと腐れの割合を比べた図でも、ハサミ傷のある実がいちばん多く腐っていた。
貯蔵中に出る腐れには、青かび病や緑かび病がある。
これらは、収穫や運搬の途中でついた皮の傷から菌が入る。
だから、実を一つずつ丁寧に扱うことが腐れを防ぐ基本だ、と資料は締めている。
家に届いたみかんも、ここまで何度も箱に詰められ、運ばれてきている。
どこかで押されたり、こすれたりした実が混ざっていても不思議ではない。
温度は10℃が境目
同じ資料には、貯蔵中の腐れは温度の影響が大きく、一般には10℃以上になると発生が著しく多くなる、と書いてある。
青かび病・緑かび病は、高温と高湿で出やすい病気として表に並んでいる。
農家の貯蔵庫でいちばんいいとされる温度は3〜6℃、湿度は85%だ。
湿度が90%を超える過湿になると、皮が浮いてくる「浮皮」が出やすくなる、ともある。
冷えていて、湿りすぎていない。
みかんにとって居心地がいいのは、そういう場所だ。
冷蔵庫は寒いが、乾きすぎる
それなら冷蔵庫がいちばんでは、と思ったが、愛媛県の資料は逆のことを書いている。
保存する場所は、風通しがよく、なるべく涼しいところを選ぶ。
冷蔵庫に入れると、乾燥するだけでなく、甘さがなくなるので控える。
僕はこの二つを、こう読んだ。
温度だけなら冷蔵庫は合っている。
でも冷蔵庫の中は乾いていて、貯蔵庫の湿度85%とはだいぶ違う。
だから家では、冷えすぎず乾きすぎない、北側の部屋や玄関のような涼しい場所に置く。
暖房の効いた居間に箱ごと置くのは、10℃を軽く超えるので避けたい。
箱のまま置きっぱなしにしない
佐賀県の資料には、貯蔵庫の運び方の決まりもいくつかある。
コンテナは7〜8分目まで入れ、間を15cmほど空けて空気を回す。
腐れた実がないか20〜30日おきに点検し、見つけたらすぐ取り除く。
これを家の箱に置き換えると、僕ならこうする。
届いたら、いったん全部出す。
皮がやわらかいもの、傷があるもの、つぶれているものは、別にして先に食べる。
残りを箱に戻すときは、ぎゅうぎゅうに詰めず、ふたは閉め切らない。
農家は20〜30日おきでも、家の箱は狭くて実が触れ合っているので、もっと短い間隔でのぞいたほうがいいと思う。
腐れは、傷から入り、10℃を超えると増える。
資料からはっきり言えるのは、この二つだ。
残りは、傷ものを先に分けて、涼しい場所で、空気が通るように置く、という当たり前のことになる。
すっぱいみかんは、少し置く
愛媛県の資料には、食べ方のことも一行ある。
木からとってすぐのみかんは酸味が強いので、1〜2日部屋に置くとおいしく食べられる。
買ってすぐの一つ目がすっぱかったら、捨てたり、まとめて冷蔵庫に入れたりする前に、数日置いてからもう一度食べてみる。
そのくらいの余裕で付き合うのが、箱みかんにはちょうどいいと思う。
秋の食べ物の保存の話は、さつまいもの保存の記事にも書いた。
さつまいもは、冷やしすぎると傷むほうだった。
同じ秋の食べ物でも、置き場所の考え方はずいぶん違う。
出典
- 腐敗果をなくそう 高糖系温州の収穫・貯蔵管理|佐賀県果樹試験場(PDF)(ハサミ傷と腐敗果・最適貯蔵温度3〜6℃と湿度85%・90%以上で浮皮・10℃以上で腐敗が著しく増える・コンテナの詰め方と点検。2026年10月30日に確認)
- みかんの上手な食べ方|愛媛県(PDF)(風通しのよい涼しい場所・冷蔵庫は乾燥し甘さがなくなるので控える・とってすぐは1〜2日置く。2026年10月30日に確認)